7月 Vol.122
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巡航船でゆく、浦ノ内湾の旅
入江の奥へ、横浪三里
 
 
ここにしかない海の風景。
明るい山並みの囲む湾をゆるやかに船は巡ります。
どこまでも続く入江、外海とわずかにつながっている、波静かな別天地への旅。
 
海から眺める横浪三里
 
一帯は横浪県立自然公園に指定されています
   湾を縫って、のんびりと進む白い船。横浪半島の内側に細長く延びる浦ノ内湾で、須崎市営の巡航船に乗り込みます。広葉樹のなだらかな山並みに囲まれた浅い入江は、海というより湖のような静けさ。浦ノ内湾は、通称「横浪三里」として親しまれ、特に南岸は自然の姿を残した森が水際まで覆っています。ここは、横浪半島が見せる太平洋側の荒々しい「動」とは対照的な「静」の海辺です。
 
「じゅんこう」とお船遊び
 巡航船は片道約1時間、日に上下4便が運航。地元では「じゅんこう」と呼ばれています。浦ノ内では長い間、船が外部との重要な交通手段でした。古代には高知市の志那弥さん(土佐神社)から鳴無神社まで船で御神幸をしたそうです。鎌倉時代の歌人、藤原家隆は、「新勅撰和歌集」の中で”土佐の海に御船うかべて遊ぶらし 都の空は雪解のどけき”と浦ノ内湾の風物詩を詠んでいます。
 
 
子どもたちと学校を結ぶ
 
下校する浦ノ内小学校の子どもたち
 浦ノ内の学校に通う小中学生やお遍路さんの大切な足となっている巡航船。横浪にある浦ノ内公民館の元館長さん、安並一夫さんにお話をうかがいました。公民館は巡航船で下校する小中学生たちを預かるほか、船長さんの待機所でもあります。戦後の村営無料巡航船は昭和22年ごろ始まりました。それまで、横浪半島に住む児童生徒は上級生の手こぎ船やポンポン船を雇って通ったとか。多いころは一度に100人も運び、日中はスピーカーで観光案内を流して遊覧船にも活躍したそうです。
 浦ノ内湾にはゆったりと静かな時間が流れています。道路からとは違う水上からの風景を心ゆくまで楽しんでみませんか。
 
浦ノ内湾に寄せる
 日本地図で探しても、これほど複雑に入り組み、しかも奥に細長く、自然の残っている湾はほかに例がないほどです。この場所を何度か訪れ、惚れ込んでいるアーティストから、浦ノ内湾と高知県に寄せるメッセージをいただきました。
ニューヨーク在住の世界的な芸術家で、コーデノロジスト(芸術、哲学、科学の総合に向かい、その実践を推し進める創造家)の荒川修作さんです。
「世界で屈指の自然美を誇る、須崎の浦ノ内湾のような所に、天命を反転させる「死なない街」”世界の高知“になりますよ! 一日も早く進めたいですね!」
湾の奥に向かうと、蟠蛇森(ばんだがもり)や虚空蔵山が見えます。
 
緑の森、浜辺や別荘などが点在する南岸。
海の上の道を行き交う小船の起こしたさざ波が、
ほんの少しだけ揺らしてゆく。
 
 
左) 鳴無神社への参道は海からの石段が。
右下) レトロな雰囲気の船内。
 
 
横浪
浦ノ内湾の奥で船を降りたら、
この土地のいいところを散策する楽しみ

 

よこなみめぐり
 宇佐方面からの巡航船を横浪で降り、町並みを散策してみませんか。湾をはさんで対峙する鳴無神社は横浪に遙拝所(ようはいじょ)もあり、大切に守られています。さらに湾の奥へ足を伸ばせば、波静かな入江が続き、風光明媚な景色とともに、地元の魅力ある産品や見どころが点在しています。
 
 
横浪の船着き場にて。   浦ノ内湾で最も人口の多い横浪の町。
 
鳴無神社の本殿・拝殿・鰐口(わにぐち)は国の重要文化財に指定。本殿の極彩色に彩られた軒の飾りは土佐の日光東照宮と称されるほど。   瀬戸内海のような砂浜の大島公園。海水浴やトイレ休憩にも。

地魚のお寿司 ●Yショップ中平
  巡航船を降りると、ちょうどおなかがすいたころ。こちらのお店は仕出し店でもあり、魚を使った手作りのお寿司やお弁当が人気です。アジの姿寿司は定番。海が見晴らせる2階の宴会場は、10人以上で予約すれば、お昼の食事にも使えます。料理はお任せで、1人の予算は2,000円前後。

須崎市浦ノ内横浪東分119-1
TEL/0889-49-0123 営/6:30〜21:00
年中無休
 
高知の木を使って ●土佐龍
  地元素材にこだわった木の工房です。四万十ひのきのまな板から始まり、地元のサクラの木を生かした洗濯板やクスノキの芳香防虫剤など、なるほどと思わせるエコロジカルな製品が並んでいて、県外からのお客さんを案内するのにも喜ばれそう。鳥の声を聞きながら、カフェでのひと休みもどうぞ。
立目ぽんかんのジュース
浦ノ内湾北岸の立目地区特産のぽんかんを、夏も楽しめるフレッシュなジュースに。土佐龍の「木のもの屋カフェ」で飲めます。320円。瓶入りは500円(300ml)。

須崎市浦ノ内東分2830
TEL/0889-49-0111 営/9:00〜18:00ごろ
年中無休
 

 

 
  太平洋を見ながら県道47号の横浪公園線(旧横浪スカイライン)経由で宇佐へ。途中に武市半平太像や青龍寺など。
  須崎市街までは約10分。名物の鍋焼きラーメンなど、街歩きを楽しむコース。
  のんびりと浦ノ内北岸を宇佐へ戻り、カツオ節の街を散策。
 
 

 
須崎市営巡航船時刻表
 
  埋立発   坂内発   横浪発   ※日曜祝日と年末年始は運休。
※「埋立」〜「横浪」までは所要55分。
※最長区間の料金は大人620円、子どもは半額。
※今年4月から従来の夏時間制を廃止しています。少人数の予約は不要ですが、人数が20人以上になる場合はお知らせを
 
7:05 7:12 ---- 
10:05 ----  10:05
13:47 ----  13:50
16:00 ----  16:20
 
巡航船利用のアドバイス
ご注意/巡航船の乗り場には専用駐車場がありません。
車で行って須崎市の「埋立」から乗船する場合は、船と車の二手に分かれて移動し、終点の「横浪」で合流するのがおすすめです。「埋立」〜「横浪」の陸路所要時間は約15分です。
 
巡航船乗り場案内
 
浦ノ内界隈 夏のお祭り・イベント
 
鳴無神社 志那弥大祭
日 時 8月25日(火)
12:30〜神事
13:30〜お船遊び(旗を飾った漁船による海上御神幸祭)
場 所 鳴無神社 Pあり
 
第11回須崎市ドラゴンカヌー大会 (第51回須崎まつり)
日 時 8月2日(日)
9:00〜須崎市浦ノ内
場 所 須崎市立スポーツセンターカヌー場
※荒天の場合は8月23日(日)に延期
 
問い合わせ
 
巡航船・観光の問い合わせ 須崎市企画課 TEL/0889-42-5691
 
祭り・イベントの問い合わせ 須崎商工会議所 TEL/0889-42-2575
 
ドラゴンカヌー大会の問い合わせ 須崎市生涯学習課 TEL/0889-42-8591
 

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